<< 2010/01 >>
01 02
03 04 05 06 07 08 09
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

RSS

雲の記録201001272010年01月27日

2010年1月27日午後2時

昼頃見上げると、綿雲がのんびりと流れてゆくばかりであったが、午後、ヴェールのような巻雲が幾すじも棚引く空となり、夕方近くには鱗雲となった。巻雲から巻積雲へ、こうした雲の変化は天候悪化の兆候と疑われるが、果たして明日の予報は曇りのち雨。
2010年1月27日午後4時48分鎌倉市二階堂

白氏文集卷二十 與諸客攜酒、尋去年梅花有感2010年01月27日

諸客(しよかく)と酒を(たづさ)へ、去年の梅花を尋ねて感有り 白居易

馬上同攜今日杯  馬上 (とも)(たづさ)今日(こんにち)(はい)
湖邊共覓去春梅  湖辺 共に(もと)去春(きよしゆん)の梅
年年只是人空老  年年(ねんねん) (ただ)これ人空しく老ゆ
處處何曾花不開  処処(しよしよ) 何ぞ(かつ)て花(ひら)かざらん
詩思又牽吟咏發  詩思(しし)あれば 又吟咏(ぎんえい)()いて(はつ)
酒酣還喚管絃來  酒(たけなは)にして ()た管絃を()びて(きた)
樽前百事皆依舊  樽前(そんぜん) 百事 皆旧に()れり
點檢唯無薛秀才  点検(てんけん)するに ()薛秀才(せつしうさい)無し

【通釈】馬に乗り、皆で今日飲む酒をたずさえ、
湖のほとり、去年の春に見た梅を尋ねる。
年ごとに、ただ人は空しく老いてゆくが、
至る所、かつて花が咲かなかったことなどあろうか。
詩想が湧けば、去年と同じく立て続けに吟詠し、
宴が酣になれば、今年もまた妓女を呼び管絃を奏させる。
酒樽を前にして、全てのことは旧年通りであるが、
顔ぶれを見わたせば、ただ独り薛秀才がいない。

【語釈】◇樽前百事 酒宴にかんするすべてのこと。◇薛秀才 薛景文。白居易の友人にして詩人。自注によれば、この詩を作った前年、共に梅を賞し、当年亡くなったという。

【補記】第三句「年年只是人空老」を句題に大江千里が歌を作っている。大江維時の『千載佳句』に「詩思又牽吟咏發 酒酣還喚管絃來」が引かれている。

【影響を受けた和歌の例】
年々(としどし)と数へこし間にはかなくて人は老いぬるものにぞありける(大江千里『句題和歌』)