雲の記録20100127 ― 2010年01月27日
白氏文集卷二十 與諸客攜酒、尋去年梅花有感 ― 2010年01月27日
馬上同攜今日杯 馬上
湖邊共覓去春梅 湖辺 共に
年年只是人空老
處處何曾花不開
詩思又牽吟咏發
酒酣還喚管絃來 酒
樽前百事皆依舊
點檢唯無薛秀才
【通釈】馬に乗り、皆で今日飲む酒をたずさえ、
湖のほとり、去年の春に見た梅を尋ねる。
年ごとに、ただ人は空しく老いてゆくが、
至る所、かつて花が咲かなかったことなどあろうか。
詩想が湧けば、去年と同じく立て続けに吟詠し、
宴が酣になれば、今年もまた妓女を呼び管絃を奏させる。
酒樽を前にして、全てのことは旧年通りであるが、
顔ぶれを見わたせば、ただ独り薛秀才がいない。
【語釈】◇樽前百事 酒宴にかんするすべてのこと。◇薛秀才 薛景文。白居易の友人にして詩人。自注によれば、この詩を作った前年、共に梅を賞し、当年亡くなったという。
【補記】第三句「年年只是人空老」を句題に大江千里が歌を作っている。大江維時の『千載佳句』に「詩思又牽吟咏發 酒酣還喚管絃來」が引かれている。
【影響を受けた和歌の例】
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