<< 2015/03 >>
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

RSS

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』京都附近1 逢坂山~賀茂川2015年03月01日

賀茂川

京都附近

逢坂山を越えて汽車は京都盆地に入る。

逢坂山

大津より京都にむかふ途にある山。今は汽車のトンネルあり。古の逢坂の関の址、関の清水などこの山中にあり。

藤原高遠

逢坂の関の岩かど踏み鳴らし山立ち出づるきりはらの駒

後鳥羽天皇

鶯のなけどもいまだふる雪に杉の葉しろきあふ坂の関

宮内卿

逢坂や梢の花を吹くからに嵐ぞ霞む関の杉むら

兼好

逢坂の関ふきこゆる風の上にゆくへも知らずちる桜かな

藤原能清

あふさかの関の戸あくるしののめに都の空は月ぞのこれる

香川景樹

逢坂のせきの杉むらしげけれど木の間よりちる山ざくらかな

木下幸文

夜ふかくも出にけるかな逢坂の関屋に来てぞとりもなきける

山科

大石良雄閑居の址あり。

賀茂真淵

心とくきても見しかな山しなの石田の森のもみぢそめしを

木下幸文

朝たちて吾がこえくれば雨まじり竹葉たかはみだるゝ山科のさと

尾上柴舟

道の辺の竹葉の霜に朝日さし小鳥よくなく冬の山科

原田嘉朝

行きゆけば竹村のあなたこなたより鶯うたふ山科の道

戸井かね子

朝もやのうするるまゝに竹村のむらむら見ゆる山科の里

醍醐

山科より東南十六町。

藤原定家

手向して春やゆくらむ千早ふる長尾の宮の花の木綿ゆふしで

豊臣秀吉

深雪山帰るさ惜しき今日の暮花の面影いつか忘れむ

豊臣秀頼

治まれる時を待ち得て深雪山今日より千世と花ぞ咲きける

前田利家

相生の松に桜の咲添ひて深雪の山に千世を重ねむ

稲荷神社

稲荷駅の傍にあり。その後山を稲荷山また三つの峯といふ。

荷田春満

なく鳥のこゑもうもれて稲荷山くれ静なる雪のすぎむら

高橋残夢

みともしのかげ消そめていなり山うの花月夜ほのしらむなり

長谷川素水

うつくしき絵日傘つゞく稲荷道京のまひ子が花ぞめごろも

高畠式部

稲荷山はにの御鈴のふりはへて杉の下みちのぼるもろ人

与謝野晶子

夏の雨稲荷まつりの引き馬の鞍うつくしく雫するかな

賀茂川

京都市北方の山間よりいでて京都市を貫流す。

香川景樹

帰るべく夜はけたれど賀茂川の瀬のは高く月はさやけし

近藤芳樹

宿ながら見てあかすべき月夜かは賀茂までゆかむ川原伝ひに

大田垣蓮月

送火の火影しらみて賀茂川のぼにの月夜ぞあはれなりける

千鳥なくかも川堤つきふけて袖におぼゆる夜半の初しも

吉井勇

君とあればいつか河原の夜もふけて辻占売の声のきこゆる

安田靫彦

東山朝ぎりの中にまどろみて河原の石の一つづつ覚む

川田順

鴨川のかはらに白う流れたる春の霜夜の月あかりはも

九条武子

川床に友染洗ふ人も来ず千鳥しばなく春さむの家

大村八代子

夕涼み四条五条の橋の間にかがやきつづく燈火のはな

河杉初子

木屋町に宿れば悲し川千鳥ちろちろとなく瀬のにまじり

原口愛子

橋の下加茂の河原に子らあまた凧あげて居り元日のひる

補録

逢坂山

履中天皇

逢坂に遇ふや嬢子をとめを道問へばただにはらず当麻路たぎまぢ

蝉丸

これやこの行くも帰るも別れつつ知るも知らぬもあふさかの関

紀貫之

逢坂の関の清水に影みえていまやひくらむ望月の駒

伊勢よりのぼり侍りけるに、しのびて物いひ侍りける女のあづまへくだりけるが、逢坂にまかりあひて侍りけるに、つかはしける

大中臣能宣

ゆくすゑの命もしらぬ別れぢはけふ逢坂やかぎりなるらむ

藤原範永

有明の月も清水にやどりけり今宵はこえじ逢坂の関

良暹

逢坂の杉のむらだちひくほどはをぶちに見ゆる望月の駒

藤原家隆

逢坂や明ぼのしるき花の色におのれ夜ぶかき関の杉むら

石山にまうづとて、あけぼのに逢坂をこえしに

吉田兼好

雲の色にわかれもゆくか逢坂の関路の花のあけぼのの空

北畠具行

かへるべき道しなければこれやこの行くをかぎりの逢坂の関

伊達政宗

ささずとて誰かは越えむあふ坂の関の戸うづむ夜半のしら雪

良寛

逢坂の関のこなたにあらねども往き来の人にあこがれにけり

賀茂川

秋立つ日、うへのをのこども、賀茂の河原に川逍遥しける供にまかりてよめる

紀貫之

川風の涼しくもあるかうち寄する波とともにや秋は立つらむ

曾禰好忠

みそぎする賀茂の川風吹くらしも涼みにゆかむ妹をともなひ

藤原定家

誰がみそぎ同じ浅茅のゆふかけてまづうちなびく賀茂の川風

夏はつる扇に露もおきそめてみそぎすずしき賀茂の川風

後鳥羽院

夏と秋とゆきかふ夜半の浪の音のかたへすずしき賀茂の川風

伏見院

まだきより波のしがらみかけてけりみそぎ待つ間の賀茂の河風

洞院公賢

冬ふかみ賀茂の川風さゆる夜は汀の波ぞまづこほりける

三条実継

恋せじとせしみそぎこそうけずとも逢瀬はゆるせ賀茂の川波

次へ

コメント

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamatouta.asablo.jp/blog/2015/03/01/7581933/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。