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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』大和紀伊方面1 奈良2015年03月18日

平城宮朱雀門(奈良県奈良市)

(写真は復原された平城宮朱雀門。Railstation.netより転載)

大和紀伊方面

奈良

小野老

あをによし奈良の都は咲く花の匂ふが如く今さかりなり

作者不詳

白がねの目貫めぬきの太刀をさげはきて奈良の都をねるは誰が子ぞ

土岐哀果

余りたる餌をかひとれば夕ぐれの旅人われによりくる四五匹

服部綾足

奈良人形夜寒の店の電燈にかがやく箔のみやびたるかな

榊原春村

陽を浴びて落葉の庭にさびれ立つわが大寺のいたましき秋

幾千年かくて黙して大寺の滅びむ果の秋の日を思ふ

河杉初子

奈良の秋落葉しげきにとほつ代のをとめもかくや物を思ひし

猿沢池

奈良の東方九町。

柿本人麿

我妹子わぎもこがねくたれ髪を猿沢の池の玉藻と見るぞ悲しき

金塚光

猿沢の池の青柳少女をとめさび遠つ采女のすがたおもほゆ

補録

奈良

大伴旅人

沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも

平城天皇

ふるさととなりにし奈良の都にも色はかはらず花は咲きけり

奈良の京にまかれりける時に、やどれりける所にてよめる

坂上是則

み吉野の山の白雪つもるらし古里さむくなりまさるなり

大和に侍りける母みまかりてのち、かの国へまかるとて

伊勢

ひとりゆくことこそ憂けれふるさとの奈良のならびて見し人もなみ

伊勢大輔

いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重に匂ひぬるかな

藤原家隆

いにしへの幾世の花に春暮れて奈良の都のうつろひにけむ

一条兼良

いにしへをみきのつかさの袖の香や奈良の都にのこる橘

猿沢池

紀貫之

猿沢の池もつらしなわぎもこが玉藻かづかば水もひなまし

藤原良経

猿沢の玉藻の水に月さえて池にむかしの影ぞうつれる

三条西実隆

底ふかき思ひやのこる猿沢の池のほたるの玉藻がくれに

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「美しい江戸かるたと読む百人一首」を改訂しました2015年03月18日

美しい江戸かるたと読む百人一首表紙

昨年末に出版しました『美しい江戸かるたと読む百人一首』を改訂しましたのでお知らせ申し上げます。旧版ではサンプルが目次だけになってしまっていたので、それを避けることが改訂の第一の理由なのですが、ついでに、くずし字と翻刻原文の比較がより容易になるようにするなど、工夫を加えました。

改訂版をダウンロードするには、Amazonのトップページで、検索窓の右にある「アカウントサービス」にマウスを合わせ、「コンテンツと端末の管理」を撰択して下さい。ライブラリが表示されますので、「美しい江戸かるたと…」を探して下さい。アクションのうちアップデート版をダウンロードする選択肢がありますので、クリックして下さい。お持ちの端末に改訂版がダウンロードされ、旧版と入れ替わります。