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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』大和紀伊方面17 和歌の浦2015年04月18日

和歌の浦 和歌山県和歌山市

和歌の浦

和歌山市より東南にあり。

山部赤人

和歌の浦に潮満ち来れば潟をなみ蘆べをさしてたづなき渡る

寂蓮

若のうらを松の葉ごしにながむれば梢によするあまの釣舟

玉津島神社

和歌の浦にあり。

作者不詳

玉津島見れどもあかず如何にして包みもて行かむ見ぬ人の為

加納諸平

一むらの州崎の松にかげわけて内外うちとの海の月をみる哉

大蔵鷲夫

白浪のよするなぎさに大御輿みたゝせりけむ古へ思ほゆ

補録

和歌の浦

祝部成仲

ゆく年は波とともにやかへるらむ面がはりせぬ和歌の浦かな

藤原家隆

和歌の浦や沖つ潮合にうかび出づるあはれ我が身のよるべ知らせよ

藤原良経

和歌の浦のちぎりもふかし藻塩草しづまむ世々をすくへとぞ思ふ

後鳥羽院

なびかずは又やは神に手向くべき思へば悲し和歌の浦浪

後村上天皇

あはれはや浪をさまりて和歌の浦にみがける玉をひろふ世もがな

小沢芦庵

この国はことばの海のおほ八島いづくによるも和歌の浦波

玉津島神社

津守国基

年ふれど老いもせずして和歌の浦に幾代になりぬ玉津島姫

二条為氏

人問はば見ずとや言はむ玉津島かすむ入江の春のあけぼの

後嵯峨院

三代みよまでにいにしへ今の名もふりぬ光をみがけ玉津島姫

二条為重

ささがにの蜘蛛のいとすぢ代々かけてたえぬ言葉の玉津島姫

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