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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』大阪神戸附近3 交野2015年04月30日

渚の院跡の業平歌碑(枚方市渚元町)

写真は渚の院跡の業平歌碑(枚方市渚元町)。

補録

交野かたの

大阪府交野市・枚方市あたりの平野。皇室の御領で、古来狩猟地として名高い。桜の名所でもあった。京阪本線牧野駅より東へ徒歩五分、河州一之宮片埜神社がある。

藤原長能

霰ふる交野の御野みのの狩ころもぬれぬ宿かす人しなければ

源師頼

み狩すと楢の真柴をふみしだき交野の里にけふも暮らしつ

藤原忠通

御狩すととだちの原をあさりつつ交野の野辺にけふも暮らしつ

藤原親隆

鶉鳴く交野にたてるはじ紅葉散りぬばかりに秋風ぞ吹く

藤原俊成

またや見む交野の御野の桜狩花の雪ちる春のあけぼの

藤原家隆

天の川秋の一夜のちぎりだに交野に鹿のねをや鳴くらむ

順徳院

夕狩の交野の真柴むらむらにまだひとへなる初雪の空

加藤枝直

桜さくかた野やいづこ白雲の中に流るる天の河なみ

渚の院跡

惟喬親王の別荘跡。その後寺になり、今鐘楼と梵鐘のみが残る。京阪本線御殿山駅より北東約五百メートル。枚方市渚元町の保育園に隣接して跡地が保管されている。

 

なぎさの院にて桜を見てよめる
在原業平

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

(水垣注:『伊勢物語』には「いま狩する交野の渚の家、その院の桜ことにおもしろし。その木のもとにおりゐて、枝を折りてかざしにさして、かみなかしも、みな歌よみけり」とある。)

祇園梶子

見る人もなきさの花は思ひ出づやたえて桜といひし言の葉

天野川

交野の地を流れる川。七夕伝説に因んで詠まれることが多い。

 

惟喬のみこの伴に狩にまかりける時に、天の河といふ所の河のほとりにおりゐて酒などのみけるついでに、みこのいひけらく、「狩して天の河原にいたるといふ心をよみてさかづきはさせ」といひければよめる

在原業平

狩り暮らしたなばたつめに宿からむ天の河原に我は来にけり

藤原為家

あまの川とほきわたりになりにけり交野の御野の五月雨のころ

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