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千人万首メモ 宜野湾朝保 恋2015年08月14日

歳暮恋

年なみの流れの末に漕ぎ出でし恋の小舟ぞ行くへ知られぬ

「波が絶えず寄せるように年が寄る、歳月の流れの末に、今更漕ぎ出したわが恋の小舟。行方も知られぬことよ」。

「歳暮恋」は平安末頃から見える歌題。年の暮に際しての(或いはそれに絡めての)恋の心を詠む。朝保は「年波」の「波」の縁から発想したものと思われる。あてどのない恋の道を、波のまにまに漂う小舟に寓するというのは昔からある趣向であるが、「歳暮」を人生の暮ともして、老いらくの恋の頼りなさ、心細さが哀れだ。同題の歌に「この年もはや暮れはてて老いななん恋の心もおとろへぬべく」。

 

恋歌余録

寄月恋

あはれとや月も見るらん宵々に我が影ばかり我にそひつつ