佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』山陰線2 西舞鶴 ― 2016年07月14日
田辺城(京都府舞鶴市)
綾部駅より舞鶴線によりて天の橋立方面に至る。
西舞鶴(田辺)
古く田辺といふ。慶長五年細川幽斎の籠城せし地。城址いま公園となりて心種園といへり。
慶長五年七月廿七日、丹後国籠城せし時、古今集証明の状式部卿智仁親王へたてまつるとて
いにしへも今もかはらぬ世の中に心の種をのこす言の葉
(注:石田三成の西軍に包囲され、丹後田辺城に籠城していた時、古今伝授の秘伝書と共に智仁親王(後陽成天皇の同母弟)に奉った歌。親王は兄天皇に幽斎の助命を奏請し、これを受けて天皇は勅使を派遣し講和を実現させた。)
補録
琴引浜(網野の浦)
京都府京丹後市にある砂浜。鳴き砂で名高い。
根上がりの松に五色の糸かけつ琴引き遊ぶ三津の浦浜
名に高き太鼓の浜に鳴神の遠にも渡る秋の夕さめ
遠く来て我が行く今日の喜びもともに音を立つ琴引の浜
おく丹後おくの網野の浦にして入日をおくる旅人となる
人踏めば不思議の砂の鳴る音も寂しき数の北の海かな
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