佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』山陰線15 加賀の潜戸・錦の浦 ― 2016年08月31日
加賀の新潜戸
補録
加賀の潜戸・錦の浦
島根県松江市北部。加賀の潜戸には、海の洞窟である新潜戸と、陸地寄りの(上陸できる)洞窟である旧潜戸がある。旧潜戸には水子の霊が集まるという賽の河原があり、供養のために積まれた数多くの石塔が立っている。錦の浦は同地の入江で、古歌に詠まれた歌枕。
名にたかき錦の浦をきてみればかづかぬ海人はすくなかりけり
こきまずる柳桜もなかりけり錦の浦の春の明ぼの
舟よする錦の浦の夕浪のたたむやかへる名残なるらん
潜戸の窟いく世経ぬらむ今日もかも波うねり入り鳴りとよみゐし
亡き子ろが夜きて積むとふ石の塔しめじめおほし窟の奥に
加賀の潜戸に至りしときにありありと地獄の中の吾の顔見ゆ
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