佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』山陰線23 鴨山 ― 2016年11月01日
斎藤茂吉鴨山記念館前の歌碑「夢のごとき…」(島根県美郷町湯抱)
補録
鴨山
万葉集の歌によれば柿本人麻呂終焉の地。斎藤茂吉の提唱した、島根県邑智郡美郷町湯抱の鴨山説が名高いが、浜田市の城山(旧名鴨山)、益田市高津の鴨島(水没)とする説のほか、奈良県葛城山中の山とする説などもある。
柿本朝臣人麻呂の石見国に在りて死に臨める時、自ら傷みて作れる歌一首(万葉集)
鴨山の岩根しまける我をかも知らにと妹は待ちつつあるらむ
夢のごとき「鴨山」恋ひてわれは来ぬ誰も見しらぬその「鴨山」を
人麿がつひのいのちををはりたる鴨山をしもここと定めむ
鴨山を二たび見つつ我心もゆるが如し人に言はなくに
つきつめておもへば歌は寂びしかり鴨山にふるつゆじものごと
石深く終の命の筆の跡彫りたる上を時雨ながらふ
(注:湯抱の鴨山公園にたつ、茂吉の「人麿がつひのいのちを…」を彫った歌碑を詠む。)
参考リンク:万葉の旅 鴨山 斎藤茂吉説(風に吹かれて)
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