佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国1 鳴門海峡 ― 2016年11月08日
鳴門海峡
淡路島と四国の海峡。中に島ありて大鳴門、小鳴門に分る。(注:渦潮で名高い。鳴門観光港より観潮船が就航している。また海峡に架かる大鳴門橋に設けられた遊歩道「渦の道」からも渦潮を間近に眺めることができる。)
浪荒き阿波の鳴門は夏ながらこころの寒きところなりけり
うづ潮の鳴門の沖のむら千鳥おりたちかねて空になくなり
たぎちゆく阿波の鳴門の早潮に心地よく小舟乗せてけるかも
補録
大島の鳴門を過ぎて二夜を経し後、追ひて作れる歌
これやこの名に負ふ鳴門の渦潮に玉藻刈るとふ海人娘子ども
秋ふかく鳴門の海の早汐におちゆく月の淀む瀬もがな
わたつみの鳴門は竜のかどなれば潮も滝とおつるなりけり
見わたせば神も鳴門の夕立に雲たちめぐる淡路島山
夜さへに玉藻刈るべみ鳴門の海うづ潮白く月照りにけり
おほかたは暗き鳴門に帯ほどの月明りして潮ふくれゆく
海山にあまる光のあつまりて鳴門へおつる潮のはげしさ
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