佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国12 白峰 ― 2016年12月08日
崇徳天皇白峯陵入口
白峰
鬼無より鴨川に至る間の線路の右にあり。崇徳天皇の陵あり。(注:香川県坂出市青海町。白峰山の頂近くに白峯寺があり、隣接して崇徳天皇の白峯陵がある。坂出駅より白峰山登山口までバス便がある。)
松山の波に流れてこし舟のやがてむなしくなりにけるかな
(「松山」は、配流された崇徳天皇が下船した松山の津を指す。次項参照)
よしや君むかしの玉の床とてもかからむのちは何にかはせむ
西行もこの大杉の下かげにうづくまりては嘆きまをしけむ
白峰の山ふところにかそけくも立てるほこらをめぐる大杉
補録
讃岐路のあやの松山白峰に君ましませばあやにかしこし
(前の「あや」は、かつて坂出市の市域が属した郡の名「阿野」。これを、「あやにかしこし」の「あや」に掛けている。)
とこしへにこの白峰を守らすと流れ来まししや玉のおん身を
皇陵は山のあなたか古松の並生ふる径は峰に続けり
陵の山の背後にくろぐろと昏れゆくか冬の讃岐の群山
白峯の寺のつづきにしづまりて御陵ぞたかき石段のうへ
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