佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国19 大三島 ― 2016年12月24日
大崎上島より大三島を望む
補録
大三島
愛媛県今治市(旧越智郡大三島町)。芸予諸島の最大の島。しまなみ海道の連絡橋によって本州・四国とつながっているが、今治港・忠海港(広島県竹原市)から船便もある。伊予一の宮、大山祇神社がある。
範国朝臣に具して伊予国にまかりたりけるに、正月より三四月までいかにも雨の降らざりければ、苗代もえせで騷ぎければ、よろづに祈りけれどかなはで、たへがたかりければ、守能因を「歌よみて一宮にまゐらせていのれ」と申しければ、まゐりてよめる
天の川なはしろ水にせきくだせ天降ります神ならば神
伊予一の宮ある島の大鳥居海にうつりていや白く見ゆ
たたなはる叢島のはてのひろき海金色にして冬の日暮るる
夕映の終りて島は昏れしかど海さむざむと波明りあり
(香川末光(1910-2003)・美人(1915-2008)は大三島出身の兄弟で歌人。郷里で農業に従事し、瀬戸内の風光を主題とした多くの歌を残す。参考サイト)
最近のコメント