佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州2 企救の長浜 ― 2017年02月09日
企救の長浜(北九州市の門司から小倉にかけての海岸)
補録
企救の長浜
豊前国の歌枕。企救の高浜とも。福岡県の企救半島の付け根あたり、北九州市門司区から小倉北区にかけての海岸。「企救」は北九州市とその周辺に相当する旧地名であるが、後世「菊の長浜」と書かれることも多い。
浦の沙に寄す
作者未詳(万葉集)
豊国の企救の浜辺の真砂土真直にしあらば何か嘆かむ
(「真砂土」までは「真直」を導く序。かつ「まなご」に「愛子」の意を掛け、恋人が浮気でなかったら、と願い嘆いた歌。)
問答歌(二首)
作者未詳(万葉集)
豊国の企救の長浜行き暮らし日の暮れゆけば妹をしぞ思ふ
豊国の企救の高浜高々に君待つ夜らはさ夜更けにけり
これよりや天の川瀬につづくらむ星かとみゆる菊の高浜
恋の歌
源実朝
豊国のきくの長浜夢にだにまだ見ぬ人に恋ひやわたらむ
浜雪
冷泉為尹
これのみぞうつろふ色はなからまし雪の花咲くきくの長浜
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