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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州13 博多2017年03月04日

博多港(提供:福岡県)

博多港(提供:福岡市)

補録

博多

福岡市東部。博多湾に面した港湾・商業都市。古く屯倉みやけが置かれた。古名、那大津なのおおつ那津なのつ。古歌では唐舟もろこしぶねの寄る湊として詠まれる。一説に歌枕「袖の湊」を博多の湊とするが、不審な点が多く、ここには「袖の湊」を詠んだ歌は採らなかった。博多駅は山陽新幹線の終点にして九州新幹線の起点。

 

唐人
源兼昌

海原や博多の沖にかかりたるもろこし舟に時つぐるなり

海上霞
大内政弘

唐人からひとの袖もゆたかにうな原や博多の沖にたつ霞かな

大隈言道

さわがしき博多の市も春雨のふりしづめたる昨日今日かな

こぎ出でて見ればおもしろし筑紫潟博多の海の底引の網

博多所見
長塚節

しめやかに雨過ぎしかば市の灯はみながら涼し枇杷びはうづたか

柳原白蓮

秋来れば博多小女郎もなげきけむ波の遠音とほねに人の待たるる