佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州19 唐泊 ― 2017年03月15日
宮浦漁港(提供:福岡市 撮影者:Fumio Hashimoto)
補録
唐泊
糸島半島の北東部、福岡市西区宮浦に今も唐泊港と呼ばれる港がある。古代、韓人の宿泊所が置かれ、万葉集には「韓亭」とある。JR筑肥線の今宿駅より宮浦までバス便がある。
筑前国志麻郡の韓亭に到りて、舶泊して三日を経たり。…各心緒を陳べていささか以ちて裁れる歌
韓亭能許の浦波立たぬ日はあれども家に恋ひぬ日はなし
風吹けば沖つ白波かしこみと能許の亭にあまた夜ぞ宿る
旅泊
正徹
すみわぶる身はうつせみのから泊うきたる舟や此の世なるらん
同
三条西実隆
浪風のうき寝ぞからき唐泊ひとの国にもためしなきまで
名所泊
本居宣長
しきしまの大和にもあらぬ心地していとどうき寝の韓泊かな
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