<< 2018/05 >>
01 02 03 04 05
06 07 08 09 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

RSS

著作権保護期間、70年への延長が決定的となる2018年05月26日

アジサイ 色づき始める

(以下東京新聞ウェブ版より引用)

米国を除くTPPの関連法案が衆院本会議で可決された。関連法案の一つとして政府が提案した著作権法の改正は、新協定の発効と同時に、音楽や書籍などの著作権の保護期間を作者の死後五十年から七十年へと二十年延長する内容だ。新協定が発効すれば、古い作品を自由に楽しむことができる時期が二十年先に延びる。
著作権の保護延長は、米国も加わっていた以前のTPPの交渉でメディア産業が強い米国の主張が通り、盛り込まれた。米国を除く十一カ国での新協定では、離脱した米国が戻るまでは実施しない「凍結」扱いとなっているが、政府は「著作権は欧米の七十年に合わせることがグローバルスタンダードだ」(交渉関係者)とし、旧協定の取り決め通り延長する。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201805/CK2018052502000140.html

(以上引用)

著作権切れの書籍を電子書籍化することを出版事業の基盤としている「やまとうたeブックス」としては、保護期間延長はあまり歓迎すべき事ではないのですが、私はTPPには大筋賛成なので、仕方あるまい、と思っていました。

日欧のEPA(経済連携協定)交渉も妥結に至った今、日本だけがガラパゴス的に50年に留まっているわけにもゆかないでしょう。50年に戻すことを欧米諸国に働きかけ、それが奏功する気運があるのならともかく、そうした動きは全く見られなかったようです。

保護期間50年であれば、今後数年間で三島由紀夫・志賀直哉・川端康成などの著作権が切れるはずだったとのこと。やまとうたeブックスでは和歌などの古典の電子出版を中心としているので、文豪の著作権が消滅しようがしまいがあまり関係ないのですが、注釈者や校訂者の著作権はかなり問題になってきます。『万葉集注釈』の沢瀉久孝(1968没)、日本語・アイヌ語研究の金田一京助(1970年没)の本などは、著作権消滅後に電子出版できたら、と思っていました。俳人の石田波郷(1969没)などの本もこれで難しくなってしまいました。

まあ、どうしても出版したければ、著作権継承者に承諾を得ればよいわけなのですが…。

(なお、すでに著作権が切れている作者の著作権が復活し延長されるということはありません。念のため。)

コメント

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamatouta.asablo.jp/blog/2018/05/26/8859987/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。