<< 2018/07 >>
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

RSS

六月の新刊のお知らせ(万葉集と謡曲)2018年07月04日

先月の新刊は20冊でした。佐佐木信綱 編・訳『万葉集(現代語訳付)』と野上豊一郎編『解註謡曲全集』シリーズの続刊です。価格は前者が980円、後者は108円~250円です(税込)。いずれもkindle unlimited では無料でお読み頂けますので、会員の方はぜひご利用下さい。表紙画像をクリックすると、商品説明頁へ移動します。



佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州64 宇土2018年07月10日

宇土より有明海を望む

宇土半島より有明海・雲仙普賢岳を望む

補録

宇土うと

熊本県にある半島の名、また市の名、また肥後国・熊本県にかつてあった郡の名。「宇土(宇戸)の小島」「宇土の長浜」が歌枕とされた。宇土半島は島原湾・八代海に面し、尖端の三角港(宇城市)から天草諸島への船便がある。

 

藤原忠通

ながむれば思ひ残せることぞなき宇戸の小島の有明の月

腹赤御贄
四辻善成

初春の千代のためしの長浜につれる腹赤はらかもわが君のため

(貞治五年―1366年―二条良基主催の『年中行事歌合』出詠歌。良基の判詞に「景行天皇の代、筑後国宇土郡長浜にて此魚をつりてたてまつりけるを、年ごとの節会に供すべき由定めおかれたるなり」とある。)

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州66 天草2018年07月12日

天草諸島

補録

天草あまくさ

肥後国・熊本県の一地方。郡の名であり、また宇土半島の西南にある群島の名。天草五橋によって九州本土と結ばれる。寛永年間、天草四郎(益田四郎時貞)を首領とした天草の乱が起り、キリシタンの島としても知られる。

 

海上眺望
加納諸平

天草やあめよりをち唐山からやまも雲になびきて日は暮れにけり

八田知紀

天草の上にかがやく夕づつの隠れぬほどに舟は漕ぎてよ

与謝野寛

天草の十三仏じふさんぶつの山に見る海の入日とむらさきの波

与謝野晶子

天草の西高浜の白き磯江蘇省かうそしやうより秋風ぞ吹く

天草の白鶴しらつる浜の黄昏たそかれ白沙しらすなが持つ初秋はつあきの熱

斎藤茂吉

高々たかだかと山のうへより目守まもるとき天草あまくさなだ雲とぢにけり

釈迢空

天草の瀬戸よりアメに漕ぎいでて、いにしへびとは、還らざりけり