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kindle無料キャンペーンのお知らせ2019年06月04日

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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州83 黒之瀬戸2019年06月11日

黒之瀬戸

補録

黒之瀬戸

鹿児島県阿久根市と長島の間の海峡。八代海と東シナ海をつなぐ。薩摩の瀬戸、隼人はやひとの瀬戸とも。潮の流れが速く、渦潮が見られる。昭和49年、黒之瀬戸大橋が架橋された。最寄駅は肥薩おれんじ鉄道折口駅。

 

長田王(万葉集)

隼人はやひと薩摩さつま迫門せとを雲居なす遠くも吾は今日見つるかも

遥かに吉野離宮をしのひて作れる歌

大伴旅人(万葉集)

隼人はやひと湍門せといはほ年魚あゆ走る吉野の滝になほかずけり

天草の牛深の浦より薩摩のわきつの関にわたるとき、くろの瀬戸にて

海量法師

隼人のさつまのせとの潮騒に浪をかしこみ生けるともなし

人々国の名を探りてよめるに、薩摩

楫取魚彦

さにつらふ君にみせばや隼人のさつまの小門せとによする浜貝

(注:「さにつらふ」は美しさ・可愛さなどを誉め讃える修飾句。元来は赤く照り映える意かという。)

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州84 城山2019年06月22日

城山 西郷隆盛銅像

城山の西郷隆盛銅像

補録

城山

鹿児島県鹿児島市城山町。亜熱帯植物が自生する小山。西南戦争の激戦地であり、西郷隆盛終焉の地。桜島・鹿児島市街等の眺望にすぐれる。

 

安田尚義

わが祖父も我が父もまた従ひきみ命の山に立ちて涙す

(注:安田尚義は宮崎県出身の教師・歌人・史家。先祖は高鍋藩の絵師。)

釈迢空

ヌカのうへに くらくそよげる城山の 梢を見れば、夜はさかりなり

橘宗利

さんごじゆの花さく山にほととぎす声のともしき夏さりにけり

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州85 南洲墓地2019年06月23日

南洲墓地

補録

南洲墓地

鹿児島県鹿児島市上竜尾町。明治初年の廃仏毀釈で廃寺にされた浄光明寺跡に西郷隆盛が埋葬され、のち西南戦争に敗れた将兵二千余名の遺骨を集めて、南洲墓地と称す。

 

勝海舟

ぬれぎぬを干さうともせず子供らがなすがまにまに果てし君かな

与謝野寛

先生のうしろ左右にならぶなりわかき隼人の山の墓さへ

太田水穂

詣できて花もなみだもちりぢりの春はあはれなり浄光明寺

川田順

ならぶ墓七百余基の中央の南洲先生も老いずして死にき

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州86 桜島2019年06月28日

桜島と鹿児島市街

写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

桜島

鹿児島市の前面湾中にあり。この島ありて鹿児島の風光はじめて生く。

 

冷泉為村

月雪の見るめのみかは桜島波の花さくゆふべあけぼの

平野国臣

わが胸のもゆるおもひにくらぶれば煙は薄し桜島山

高橋刀畔

濃みどりの蜜柑の畑に朝日さし桜島山ねぶりより覚む

補録

薩摩中納言殿悼
松永貞徳

桜島ありとしきけば波の花やがてたむくる西の海かな

(注:薩摩中納言〔島津忠恒か〕哀悼歌。)

与謝野晶子

さくらじまわが枕よりやや高く海に置かるる夏の月明

太田水穂

掻きみだれ掻きむらがりて焼岩はあらびしままに冷えはてにけり

佐藤佐太郎

大き山ひとつ桜島日を受けてひだのさやけきゆふべとなりつ