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新刊のお知らせ『夏のおもひで ―吉井勇鎌倉歌集―』2019年08月15日

夏のおもひで 吉井勇鎌倉歌集

Kindleにて『夏のおもひで ―吉井勇鎌倉歌集―』を発売しました。

「夏のおもひで」は吉井勇の処女歌集『酒ほがひ』の第四章にあたる89首の連作で、勇が18歳(満年齢)の夏に鎌倉で病後の療養をしていた時に出逢った少女との恋の思い出を綴ったものです。少女は夏だけ別荘に滞在していて、勇はその後も鎌倉で療養生活を続けたので、夏の終りとともに二人の恋も終わりました。しかしその後も手紙のやりとりなどはしていたようで、勇は鎌倉を訪ねるたびに恋を回想しては歌を詠み、以後の歌集にも「湘南哀歌」「鎌倉哀歌」などと題した連作が見られます。そうした歌を一巻に集めてみたものです。

表紙には川瀬巴水の版画「相州七里ヶ浜」を借りました。

巻末に附録として、勇が自身の歌を素材に書いた歌物語から七篇ほどを抜萃し、「歌物語 月あかり」というタイトルを付けました。少しでも歌の背景の理解が深まれば幸いです。

「あとがき」にも書いたのですが、勇には『祇園歌集』と『東京紅燈集』という、彼が愛した二つの町の名を冠した歌集があります。勇が「第二の故郷」いや「第一の故郷」とまで呼んだ鎌倉を主題にした歌集が一つあっても良いだろうと、そんな思いから編んでみたくなった歌集です。