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裏葉もみぢ2016年12月04日

 

 裏葉もみぢ

 頂ゆながめし紅葉ふもとにてあふげばくはし夕日透かせる

 色まして葉裏かがやく下道をゆきつつ山の秋と別れき

 

藤川百首について2014年06月13日

「うたのわ」に登録してから三か月ほど経った。おかげで少しずつ歌作りの習慣を取り戻せている。

「うたのわ」の良さはまず、多くの取れ立ての歌が読めることだろう。月刊誌は言うに及ばず、新聞歌壇でさえ掲載歌は時節とタイムラグを生ぜざるを得ない。「旬」ということを特に尊ぶ私達の感性からすると、季節や時事を詠んださまざまの人の歌を、その時々にで読める楽しみは大きいのではないだろうか。

もちろん初心者の方も多いようなので、新聞や雑誌のように粒揃いとはとても行かないが、種々雑多な賑やかさもまた楽しいものだ。

さて旅や遠出の機会が少なく、単調な毎日を繰り返している私は、なかなか歌を作る機縁もないので、題詠を思い立った。浅草大将さんという以前から「うたのわ」で愛読していた歌人さんが藤川(河)百首を詠まれていたのを思い出し、私も挑戦してみることにした。

冒頭の一首に「関の藤川」が詠まれていることからこの名がある。元仁元年(1224)、定家六十三歳の作と推定されている。春・秋・恋・雑各二十首、夏・冬各十首、題は全て四字の結題。

春二十首
関路早春 湖上朝霞 霞隔遠樹 羇中聞鶯 隣家竹鶯 田辺若菜 野外残雪 山路梅花 梅薫夜風 水辺古柳 雨中待花 野花留人 遠望山花 暁庭落花 故郷夕花 河上春月 深夜帰雁 藤花随風 橋辺款冬 船中暮春
夏十首
卯花隠路 初聞郭公 山家郭公 池朝昌蒲 閑居蚊火 盧橘驚夢 杜五月雨 野夕夏草 澗底蛍火 行路夕立
秋二十首
初秋朝風 潤月七夕 野亭夕萩 江辺暁荻 山家初雁 海上待月 松間夜月 深山見月 草露映月 関路惜月 鹿声夜友 田家擣衣 古渡秋霧 秋風満野 籬下聞虫 紅葉写水 山中紅葉 露底槿花 川辺菊花 独惜暮秋
冬十首
初冬時雨 霜埋落葉 屋上聞霰 古寺初雪 庭雪厭人 海辺松雪 水郷寒蘆 湖上千鳥 寒夜水鳥 歳暮澗氷
恋二十首
初尋縁恋 聞声忍恋 忍親眼恋 祈不逢恋 旅宿逢恋 兼厭暁恋 帰無書恋 遇不会恋 契経年恋 疑真偽恋 返事増恋 被厭賤恋 途中契恋 従門帰恋 忘住所恋 依恋祈身 隔遠路恋 借人名恋 絶不知恋 互恨絶恋
雑二十首
暁更寝覚 薄暮松風 雨中緑竹 浪洗石苔 高山待月 山中滝水 河水流清 春秋野遊 関路行客 山家夕嵐 山家人稀 海路眺望 月羇中友 旅宿夜雨 海辺暁雲 寄夢無常 寄草述懐 寄木述懐 逐日懐旧 社頭祝言

比較的時間のある日、三十分なら三十分と決めて、五首を速詠している。四字題で制約が多いので、かえって速詠には向いているのだ。定家も速詠したに違いなく、作品の質は他の百首に比べると劣る。それゆえ家集には入れなかったのだろう(『拾遺愚草』には後世他人が増補したものと考えられている)。

劣ると言っても、定家は定家だ。たとえば「卯花隠路」の題で詠んだ歌は、

卯の花の枝もたわわの露を見よとはれし道の昔語りは

「卯の花の枝もたわわに置いた露を見なさい。かつて人が訪れた道の昔話を知りたいのであれば」の意。その裏には「かつては道を通る人の袖に触れて露がこぼれたが、今は人も来ないので露がたくさん置いている」という心を隠している。承久の乱の三年後、華やかなりし宮廷歌壇は崩潰し、定家は従二位の高位に至ったものの、参議を辞して閑居していた。そんな老境の心模様も読めようか。表現は簡潔なまでに凝縮されており、婉曲な作歌法も堂に入った見事さだ。定家は「一字百首」という百首歌につき「三時詠之」と記し、一首あたり四分もかけない速さで詠んでいたことが知られる。この百首歌も同じくらいだろうか。やはり天才と言うしかないのだろう。

私は実際のところ三十分で五首さえなかなか詠みきれない。どうにか詠めても、成句とか慣用的表現にばかり頼ってしまって、我ながら情けないが、致し方ない。定家のあとに自分の歌を載せるのもどうかと思うが、

忍親眼恋

しづたまき数にもあらずの中の珠なる人を思ふくるしさ

初二句は卑しい身分を歎く和歌の常套表現で、「掌の中の珠なる人」は申すまでもなく最愛の子の喩えとされる「掌中の珠」という成語から思いついたものだ(これは古典和歌には使われなかった表現)。数分で詠むとなると、だいたいこんな歌しか私には作れないのである。

さてここからは宣伝になりますが、定家の「藤川百首」は今夏出版予定の『拾遺愚草全釈五 員外』に収録されております。

初雪2013年01月14日


裏山の雪

裏山の雪

裏山の雪

はつ雪のうづめ果てつと見る庭にひとり色めくこぞのもみぢ葉

ご挨拶が遅くなりましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。

謹賀新年2011年01月01日

椿 2011年元旦 神奈川県鎌倉市

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年も当ブログ「雁の玉梓」、ウェブサイト「やまとうた」をどうぞ宜しくお願い致します。

新年即興

玉椿けふ瑕もなき新花の心わすれぬ一年もがな