佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州26 観世音寺 ― 2017年04月19日
観世音寺
天満宮の西五六町にあり。(注:福岡県太宰府市。日本有数の古刹で、かつては万葉歌人沙弥満誓が造筑紫観世音寺別当を務めた。日本最古とも言われる梵鐘(国宝)がある。大宰府に幽閉された菅原道真が「観世音寺には只に鐘の声を聴く」と詩に詠じたことでも名高い。西鉄太宰府線西鉄五条駅の北西五百メートル程。)
ぬかづきて何を祈りしいにしへの大弐の姫がかけたる願ひ
観世音寺みあかし暗う唯一人普門品よむ声にぬかづく
補録
沙弥満誓の綿を詠む歌一首 造筑紫観世音寺別当、俗姓笠朝臣麻呂也(万葉集)
しらぬひ筑紫の綿は身に付けていまだは着ねど暖けく見ゆ
彼の蒼然たる古鐘をあふぐ、ことしはまだはじめてなり
手を当てて鐘はたふとき冷たさに爪叩き聴く其のかそけきを
この かね の なり の ひびき を あさゆふ に きき て なげきし いにしへ の ひと
筑紫なる観世音寺の鐘の音を思ふしづけさ。歳のあしたに
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