佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国7 屋島 ― 2016年11月28日
屋島より夕暮の瀬戸内海を望む
屋島
高松より近し、源平二氏の古戦場。(注:瀬戸内海に突き出たかたちの溶岩台地。かつては島であったが、塩田開発や埋め立てなどにより現在は陸続きとなっている。ことでん志度線の琴電屋島駅などが利用できる)
屋島山夕かたまけて我立てば壇の浦廻に月のてる見ゆ
注:この「壇の浦」は下関のでなく屋島の壇の浦(檀ノ浦)。庵治半島との間の入江で、那須与一の故事で名高い。
屋島より帰るさ
青木彰
真夏日のきらら波路の帆はらみて屋島山かげいや遠ざかる
補録
平家屋島落留事
平知盛(平家物語延慶本)
住み馴れし都の方は余所ながら袖に波越す磯の松風
屋島八月十五夜
平行盛(源平盛衰記)
君すめばこれも雲井の月なれど猶恋しきは都なりけり
島山を吹きあげとほるさ夜あらし一ときにしてもとの静けさ
うつくしく灯る屋島の灯を見つつ船はゆくりなくくらき海原
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