佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州8 多々良川2017年02月24日

玄海灘地図

玄海灘とその周辺

多々良たたら

海辺を多々良浜といふ。元寇十万の兵の押し寄せしところ。(注:福岡市東区。多々良川は古く糟屋川といった。多々良浜は多々良川の南にあった浜。蒙古襲来の時の古戦場であり、また建武三年足利尊氏・菊池武敏の合戦場、永禄十二年毛利・大友両軍の合戦場となった場所。)

 

大隈言道

多多良川河の洲崎にたたずみて長居の鷺のえもの無げなる

たたら川満ちぬる潮の引きもあへず洲崎にきゐる庭たたきかな

補録

細川幽斎

いにしへはここに鋳物師いもじの跡とめて今もふみみる多々良浜かな

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』目次2017年02月23日

はじめに
1 東海道線 2 京都附近 3 伊勢方面
4 大和紀伊方面 5 大阪神戸附近 6 山陽線
7 山陰線 8 四国 9 九州 10 中央線
11 信越線 12 北陸線 13 総武線 14 常盤線
15 東北線 16 磐越線、奥羽線 17 北海道及樺太
18 台湾 19 朝鮮及満洲 20 支那及印度 21 欧米及其他

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州 目次2017年02月23日

九州

門司 企救の長浜 小倉 戸畑 八幡製鉄所 若松 古賀 香椎 多々良川 箱崎 博多 袖の湊 福岡 千代の松原 櫛田神社 荒津 生の松原 海の中道 志賀島 能古島(也良の崎) 芥屋の大門 玄海灘 沖ノ島 背振山 水城 太宰府 観世音寺 柳川 筑後川 鏡山 英彦山(以下つづく)

新刊のお知らせ 斎藤茂吉全歌集ほか2017年02月22日

斎藤茂吉の歌集単行本

斎藤茂吉の歌集単行本

Kindle・楽天にて電子書籍『斎藤茂吉全歌集(全18歌集収録)』ほかを発売しました。

斎藤茂吉の全歌集は、全集の短歌篇を含め、これまで四度刊行されていると思いますが、このたびの電子版が他と違う点は、「幻の歌集」と言われた戦争歌集『万軍』を含めたこと、また、歌集単行本の本文を重視し、全集などで後年増補挿入された歌は(検閲のために削除された歌の復活を除き)、「補遺」として別枠に収めたこと、この二点です。

「漬物石か!」と突っ込みたくなる全歌集 電子書籍でスマートに読もう!

『万軍』は、敗戦により出版が中止となったため、長く「幻の歌集」とされてきたものです。「茂吉幻の歌集『萬軍』」(秋葉四郎氏著、岩波書店平成24年刊)に収録された自筆原稿影印を底本として新たに本文を作成しました(こちらの発売は、楽天では少し遅れます)。

上の画像をクリックすると、Amazonの商品説明ページへ移動しますので、詳しくはそちらを御覧下さい。

楽天Koboへは下記よりどうぞ。

斎藤茂吉全歌集(全18歌集収録)【電子書籍】[ 斎藤茂吉 ]

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州7 香椎2017年02月21日

和白干潟

和白干潟 福岡市東区(提供:福岡市)

香椎かしい

香椎駅より東南八町に香椎宮あり、熊襲及び三韓征伐の際の行宮の址(注:福岡県福岡市東区北部。遠浅の海であった香椎潟が万葉集に詠まれ歌枕となったが、近代、埋め立てにより消滅した。博多湾に唯一残る干潟である和白わじろ干潟に辛うじてかつての面影を偲ぶことができよう)。

 

冬十一月、太宰の官人等、香椎廟かしひのめうをろがまつへて退まかり帰りし時、馬を香椎の浦にとどめて、おのもおのもおもひを述べて作れる歌

大伴旅人

いざども香椎かしひかたに白たへの袖さへぬれて朝菜つみてむ

小野老

時つ風吹くべくなりぬ香椎潟潮干の浦に玉藻刈りてな

大隈言道

夕されば寒き浪よる香椎がた鴛鴦をし沈鳧たかべもうちまぜて鳴く

補録

宇努男人うののをびと(万葉集)

かへり常にわが見し香椎潟明日あすゆ後には見むよしも無し

隆家卿、大宰帥だざいのそちにふたたびなりて、のちのたび、香椎の御社に参りけるに、神主、事のもとと杉の葉を折りて、帥のかぶりにかざすとてよめる

神主大膳武忠(金葉集)

ちはやぶる香椎の宮の杉の葉をふたたびかざす君ぞわが君

香椎宮の杉をよみ侍りける
よみ人しらず(新古今集)

ちはやぶる香椎の宮のあや杉は神のみそぎにたてるなりけり

やまとうたeブックス改訂情報2017年02月19日

『赤光(初版・改選版併録) 斎藤茂吉全歌集1』『遠遊 斎藤茂吉全歌集4 』『白き山 斎藤茂吉全歌集16』が改訂され、再ダウンロードにより更新できる状態になりましたので、お知らせ申し上げます。いずれも誤字数ヵ所の訂正です。

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お手数をお掛けして申し訳ありません。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州6 古賀2017年02月17日

福岡県古賀市

福岡県古賀市

古賀

この附近より海の中道の丘陵見ゆ。(注:福岡県古賀市。海の中道に続く弓なりの美しい海岸線を有する。)

 

大隈言道

はたの菜の冬の引干ひきぼし家ごとに軒にかけたる古賀の山里

今までに人をのせこし駒さへも乗りたる古賀のわたし舟かな

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州5 若松2017年02月15日

北九州市工場地帯

北九州市工場地帯の夕景

若松

洞海の門戸の西岸にありて、東岸の戸畑と対へり(注:福岡県北九州市若松区。もと若松市。響灘に面す。若松駅はJR筑豊本線の起点駅)。

 

間島酔牛

晴し日もみ空くろみて若松は煙の林立ちつづきたり

袋一平

いちめんに水の上おほふ黒けむり並ぶマストの末黒々と

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州4 戸畑・八幡製鉄所2017年02月13日

北九州市の工場夜景

北九州市工場地帯の夜景

戸畑とばた

筑豊炭の輸出地にして船舶泊湊せり。海を洞海どうかいといふ。(注:もと遠賀おんが郡の村。北九州市に合併される以前は戸畑市であった。ほぼ現在の戸畑区に相当する。)

 

三角いくよ

石炭の山見てはしる汽車はしる紺青の海海の白き波

八幡やわた製鉄所

八幡にあり。(注:八幡はもと遠賀郡の村。町・市と移り、現在の北九州市八幡東区・八幡西区に相当する。八幡製鉄所ははじめ八幡村に国営の製鉄所として始まった。関連の建造物は世界文化遺産に登録されている。)

 

福原俊丸

天雲をやき亡ぼさむ溶砿炉ほのほくもりて夕立のふる

萱野千賀子

転炉の火とろとろ燃えて闇の山にひたくれなゐの息をふきかく

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州3 小倉2017年02月11日

小倉城と紫川

小倉城と紫川

補録

小倉こくら

豊前国企救きく郡の一地域。近世、小倉藩の城下町として発展する。近代、福岡県小倉市となり、のち北九州市に合併され、今の小倉北区・南区に相当する。小倉駅は山陽新幹線・九州新幹線の主要駅の一つであり、日豊本線の起点でもある。森鷗外が軍医として住み、鍛冶町に旧居が残る。

 

斎藤茂吉

春いまだ寒き小倉をわれは行く鷗外先生おもひいだして