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新刊のお知らせ 和泉式部の本2冊2017年12月13日

アマゾンkindleにて、『与謝野寛・晶子評釈 和泉式部歌集』『与謝野晶子 新訳和泉式部日記』を発売しましたのでお知らせ申し上げます。

価格はそれぞれ432円・324円(税込)です。上の表紙画像をクリックすると商品詳細ページに移動しますので、詳しくはそちらをご覧下さい。

【おすすめの関連書籍】

紅葉は散り、黄葉は残る2017年12月06日



先日盛りをお伝えしたばかりの裏庭の楓、昨日の強風で紅い葉はあらかた散ってしまいました。遊歩道に紅い絨毯が敷き詰められています。まだ色づき切っていない橙や黄色の葉はなお残り、隙間の多くなった梢に夕日を受けて輝いていました。




佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州51 耶馬渓2017年12月06日

耶馬渓やばけい

山国川の渓流十数里にわたる。中津より耶馬渓鉄道あり。(注:大分県中津市。耶馬渓鉄道は昭和五十年に廃線。現在はJP中津駅・豊後森駅よりバス便がある。)

 

米山梅

耶馬やばたに雲分け入ればながめあかず幾その人か筆捨の松

補録

耶馬渓にて
与謝野晶子

石多き山にしあれば楓など女めく木の哀れなるかな

山の石おもしろけれど皆知れるわれの心の形するのみ

豊国とよくにの山あひの雨あはれなる旅の心を白く打つなり

耶馬渓にて
会津八一

あしびき の やまくにがは の かはぎり に しぬぬに ぬれて わが ひとり ねし

よひ に きて あした ながむる むかつ を の こぬれ しづかに しぐれ ふる なり

大熊長次郎

巌腹いははら洞門どうもんを通ふ馬ひとつひなたに出でていななきにけり

(注:「巌腹の洞門」は「青の洞門」とも。耶馬渓の名勝競秀峰の山裾に掘られたトンネル。)

安東玉彦

深耶馬ふかやばの山群れこゆる鳥の羽音はおと夕しぐれ空にひびきわたるも

(注:安東玉彦はもと大分市長。1990年没。)

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』目次2017年12月05日

はじめに
1 東海道線 2 京都附近 3 伊勢方面
4 大和紀伊方面 5 大阪神戸附近 6 山陽線
7 山陰線 8 四国 9 九州 10 中央線
11 信越線 12 北陸線 13 総武線 14 常盤線
15 東北線 16 磐越線、奥羽線 17 北海道及樺太
18 台湾 19 朝鮮及満洲 20 支那及印度 21 欧米及其他

鎌倉の紅葉が盛りに2017年12月03日

例年遅い鎌倉の紅葉が、ようやく盛りになりました。写真は、このブログで何度か紹介していると思いますが、我が家の裏庭の楓です。そのまま裏山へと楓の林が続いていて、紅葉の名所「獅子舞」のある山と一つの山塊なので、紅葉の進み具合もほぼ同じではないかと思います。まだ葉が緑なのは日当たりの悪いところで、色づかずに枯れてしまうことが多いのです。(クリックすると画像が拡大します)

新刊のお知らせ 謡曲 田村ほか2017年11月19日

引き続き、アマゾンkindleにて『解註謡曲全集』を刊行中です。今回は修羅物の7冊です。価格は108円~160円です。表紙画像をクリックすると、商品説明頁へ移動します。(上の絵は月岡耕漁画「忠度」。)

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州50 対馬2017年11月18日

対馬厳原港

対馬厳原いずはら

補録

対馬つしま

玄界灘にあり、九州と朝鮮半島の中間あたりに位置する島。『魏志』倭人伝には倭国の一国として「対馬国」が記録されている。古くから大陸との交通の要衝であり、万葉集でも遣新羅使の停泊地として名が見える。平成十六年、全島を市域とする対馬市が発足(長崎県に属する)。博多から壱岐経由の船便があり、また博多・長崎から航空便がある。

 

三野連みののむらじ入唐する時に春日蔵首老かすがのくらのおびとおゆの作る歌

よし対馬の渡り海中わたなかぬさ取り向けて早帰り

対馬のは下雲あらなふ可牟かむにたなびく雲を見つつしのはも

対馬島の浅茅の浦に到りて舶泊りする時、順風を得ず、経停すること五箇日なり。ここに、物華を瞻望し、各々慟心を陳べて作る歌

作者未詳

百船ももふねつる対馬の浅茅あさぢ山しぐれの雨にもみたひにけり

(注:「浅茅の浦」は浅茅あそう湾の一部、一説に厳原いずはら港という。)

対馬にくだりてわが国の方ははるかになりて、新羅の国の山の見えければ

津守国基

船出せし博多やいづら対馬にはしらぬ新羅の山ぞ見えける

藤原基綱

漕ぎ出づる対馬のわたり程とほみ跡こそ霞め壱岐ゆきの島松

青柳種信

新羅は夕立すらし百船ももぶねの対馬の根ろゆ雲ゐ立ち来も

海雲
大隈言道

見わたせばさも長々し平戸より対馬の沖にわたす白雲

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州49 壱岐2017年11月13日

壱岐 猿岩

壱岐の猿岩

補録

壱岐いき

玄界灘にある島。長崎県壱岐市。博多・唐津から船便、長崎から航空便がある。中国の史書に記された「一大国」「一支国」に当るかとされる。万葉集には「由吉能之麻(ゆきのしま)」とあり、以後の和歌でも「ゆきの島」「ゆき島」として多く「行き」または「雪」の意を掛ける。

 

壱岐の島に到り雪連宅満ゆきのむらじやかまろ忽ち鬼病に遇ひて死去せる時に作れる歌

六鯖むさば(万葉集)

新羅へか家にか帰る壱岐ゆきの島行かむたどきも思ひかねつも

源実朝

ゆかしくば行きても見ませゆき島のいはほにおふる撫子の花

(注:万葉巻十九に「ゆき島の巌におふるなでしこは…」とある。この「ゆき島」は「雪島」すなわち雪景色の庭園の意であろうが、実朝は「壱岐島」と誤解し、この歌を証歌にして「ゆき島」と「なでしこ」を取り合わせたものと思われる。)

壱岐
楫取魚彦

ゆきの島行きてみよかし天霧あまぎらひ雪と見るまで立てる白浪

斎藤茂吉

はるかなるひと旅路たびぢの果てにして壱岐いきよ さむ曾良そらは死にけり

島山
釈迢空

葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり

(注:『自歌自註』によれば、壱岐島を旅した折の作。壱岐の最高峰丘ノ辻たけのつじの頂に、この歌を刻した歌碑がある。)

林房雄

はたまろき壱岐の小島の秋にしてつらつら椿ゆらら八ツ浦

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州48 島原2017年11月09日

島原の武家屋敷

島原市の武家屋敷街

補録

島原

長崎県島原半島の東岸、有明海に面する市。城下町の風情を残し、九十九島つくもじま等の景勝地にも恵まれるが、雲仙の噴火により度々大きな被害を受けてきた。キリシタン弾圧等に抵抗して起きた島原の乱も悲史の一頁である。JR長崎本線諫早駅より島原鉄道が通じている。

葉室光俊

漕ぎ出でてなほ又しばし島原にもろこし舟のたれを待つらん

太田水穂

雲くらく片日照りして町屋根のさくらにそそぐ島ばらの雨

若山牧水

島原は海にうかべるかなしみか、宿屋のてすり、ればつめたき

松田常憲

月の出の海にならべる九十九つくも島みちたらひたる波の静けさ