佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国31 高知 ― 2017年01月16日
高知市街眺望
高知
土佐国の首府。(注:高知県の県庁所在地。山内氏が治める城下町として栄えた。『万葉集古義』の著者鹿持雅澄の旧居跡が福井町に残る。)
堀詰の電車通りの梅雨の街竹笠にしてうなぎ釣り居り
枇杷を買ひ雨のとまりに食べ居れば土佐の外海の海なり聞こゆ
闘犬にあはぬ日もなし打靡く一番稲の葉の黒みかも
補録
呑海亭に遊びて月を看る
鹿持雅澄
小簾巻きて呑めども飽かず孕の海とわたる月の影浮べつつ
(注:「孕の海」は高知市の浦戸湾。)
鹿持翁百年祭
佐佐木信綱
南の海この里にして万葉の道の八十隈ひらきましつる
雅澄はまことますらをたはれをの名に立つわれやひとり恥づらく
お天守の板間に我はころぶせり四方の窓ゆ秋の風吹く
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