佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国34 土佐の海 ― 2017年01月24日
土佐清水市の海岸
補録
土佐の海
土佐の海は古くから荒海として知られ、都人の歌にも詠まれている。捕鯨でも名高い。
羇旅
藤原親隆
日ばかりをたのめて出でぬこのたびは漕ぐ手もたゆき土佐の船路に
なにとなく心ぼそきは南風吹く土佐の舟路の明けがたの空
寄湊恋
藤原為経
風あらき土佐の湊を漕ぐ舟のくるしきものは恋路なりけり
国君、室戸崎に御遊の時の作(反歌)
大倉鷲夫
土佐の海や山かも割くと思ふまで鯨突く児のをたけびの声
詠海
鹿持雅澄
土佐の海に搒ぎ出でて見れば大鳥の羽根の岬に五百重浪よる
(注:「羽根の岬」は室戸岬の北西に小さく突き出た岬。)
(四国おわり)
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