佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州32 柳川 ― 2017年06月16日
福岡県柳川市
補録
柳川
福岡県柳川市。もと柳河町。縦横に堀割が走る水郷として知られる。北原白秋の生家はもと造り酒屋。川下り乗船場は西鉄天神大牟田線柳川駅至近。
色にして老木のやなぎうちしだる我が柳河の水のゆたけさ
火のうしほ世をも人をも焼かむとす恋にさも似る君が家の酒
白秋生家の酒名「潮」に題して詠んだ歌。
帰去来の詩碑にゆたけく酒そそぐ祭も過ぎし柳河に来ぬ
黒き眼鏡のおもかげとほしかの日来てこの生家跡になげきたまひき
佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国4 剣山 ― 2016年11月16日
冬の剣山
補録
剣山
徳島県西部、剣山地の主峰。古くから修験道の山として知られる。山頂一帯の草原は「平家の馬場」と呼ばれ、再興を目指す平家の残党が馬の訓練をした処という。
リクサツク肩に食ひ入れりまかげして仰げば高き大つるぎなる
栄枯盛衰なになげかむや大つるぎ平家の馬場に朝の雨降る
近近と剣山山頂そこに見ゆ忘れざりけるまどか青嶺
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