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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』山陽線3 淡路島2015年09月10日

霞の上に浮ぶ淡路島

淡路島

須磨明石の海岸より目睫の間に横れり。

作者未詳(古今集)

わたつ海のかざしにさせる白妙の浪もてゆへるあはぢ島山

俊恵(新古今集)

春といへば霞みにけりなきのふ迄浪まに見えしあはぢ島山

香川景樹

夕づく日今はとしづむ波の上にあらはれそむる淡路しま山

平井晩村

水汲むと船を寄せたる秋風の淡路は昼もつ砧かな

野島が崎
柿本人麿

玉藻刈る敏馬みぬめを過ぎて夏草の野島が崎に船近づきぬ

淡路の野島が崎の浜風に妹が結びし紐ふきかへす

補録

淡路島

応神天皇(日本書紀)

淡路島あはぢしま いやふた並び 小豆島あづきしま いやふた並び よろしき 島々しましま か た去れあらちし 吉備きびなるいもを あひ見つるもの

作者未詳(万葉集)

難波潟塩干に立ちて見渡せば淡路の島にたづ渡る見ゆ

住吉すみのえの岸に向かへる淡路島あはれと君を言はぬ日はなし

源頼政

住吉の松の木間こまよりながむれば月おちかかる淡路島山

藤原家隆(玉葉集)

淡路島はるかに見つる浮雲も須磨の関屋にしぐれきにけり

藤原定家

淡路島千鳥とわたる声ごとに言ふかひもなき物ぞかなしき

二条為重(新後拾遺集)

わたつうみの波もひとつにさゆる日の雪ぞかざしの淡路島山

木下長嘯子

はるばると敷津の浦の月の夜は氷にうかぶ淡路しま山

十七夜、玉津島山上にのぼりて
加納諸平

漁火いさりびは雲ゐにきえて眉引まよびきの淡路の門中となか月みちにけり

与謝野晶子

あゝ胸は君にどよみぬ紀の海を淡路のかたへ潮わしる時

松帆の浦 淡路島北端の浦
藤原定家

来ぬ人を松帆の浦の夕凪に焼くや藻塩の身もこがれつつ

絵島 淡路島北端の奇巌
藤原親隆

播磨潟すまの月よめ空さえて絵島が崎に雪ふりにけり

飼飯の海 淡路島西岸の海
柿本人麿

飼飯けひの海の庭よくあらし刈薦かりこもの乱れて出づ見ゆ海人の釣船

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