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千人万首に山本春正をアップ2009年11月07日

千人万首は久々の更新です。近世初期の歌人、山本春正(しゅんしょう)をアップしました。二首。
木下長嘯子の高弟の一人で、長嘯子の歌文集『挙白集』を完成させた中心人物。また、水戸光圀の命になる、地下(じげ。宮廷に地位を持たない階層)の歌人の作を集成した歌集『正木のかづら』の編纂者でもあり、近世地下歌壇では重きを置かれる人物です。今では歌人としてよりも、代々継がれた蒔絵師としての名が知られているでしょう。華麗で装飾的な蒔絵は「春正塗」「春正蒔絵」と呼ばれ、尊ばれています。
活字になった限りの歌は読んでみて、さほどの秀歌を見出すことはできませんでしたが、やはり長嘯子の一番弟子、相当の力倆がうかがえます。
『正木のかづら』(木下長嘯子全集第四巻に翻刻されています)収録歌より幾つか引いてみましょう。
久方の空みつやまともろこしをおしなべて立つ春霞かな
かつ氷りかつはたばしる霰かな月すむ河の波の白玉
契りおきて限りあるべき道にだに遅れしものをきぬぎぬの空
須磨の浦や藻塩たれけむ昔まで煙にのこる夕暮の空

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