白氏文集卷十四 送王十八歸山寄題仙遊寺 ― 2009年11月21日
曾於太白峯前住
數到仙遊寺裏來
黒水澄時潭底出
白雲破處洞門開
林間煖酒燒紅葉
石上題詩掃緑苔
惆悵旧遊無復到
菊花時節羨君廻
【通釈】かつて太白峰の麓に住み、
しばしば仙遊寺まで出掛けて行ったものだ。
黒水が澄んでいる時は、
白雲のきれ目に、洞穴の門が開いていた。
林の中で、紅葉を焼いて酒を暖め、
石の上に、緑の苔を掃って詩をしるした。
嘆かわしいのは、あの旧遊の地を再び踏めないこと。
菊の咲くこの時節、山に帰る君が羨ましい。
【語釈】◇太白峰 長安西郊の山。◇仙遊寺 長安西郊にある寺。白居易は元和元年(806)地方事務官となった頃、この寺でしばしば遊んだ。◇黒水 渭水に流れ込む川。◇洞門 洞窟の入口。
【補記】山に帰棲する旧友の王十八すなわち
【影響を受けた和歌の例】
あかなくの色の千しほも染めなすや紅葉のもとの秋のさかづき(中院通村『後十輪院内府集』)
いつかまた酒あたためんこのもとの苔に色づく枝のもみぢ葉(松平定信『三草集』)
【参考】『平家物語』巻第六
残れる枝、散れる木の葉をば掻き集めて、風すさまじかりける朝なれば、縫殿の陣にて、酒煖めてたべける薪にこそしてげれ。(中略)天機殊に御快げに打ち笑ませ給ひて、「林間に酒を煖めて紅葉を焼くと云ふ詩の心をば、さればそれらには誰が教へけるぞや。優しうも、仕つたるものかな」。
『徒然草』五十四段
うれしと思ひて、ここかしこ遊びめぐりて、ありつる苔のむしろに竝みゐて、「いたうこそ困じにたれ。あはれ紅葉をたかん人もがな」。
コメント
_ 三友亭主人gatayan ― 2009年11月21日 20時32分
_ 水垣 ― 2009年11月22日 23時17分
「林間に酒を煖めて」…私も憧れます。しかし、焚火も難しい御時世ですね。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://yamatouta.asablo.jp/blog/2009/11/21/4711474/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
いいですなあ・・・
こんな風情で一杯・・・いきたいものですね。
私のホームページ名の「北窓三友」は白楽天の詩題を戴いたもの。
この「三友亭」の「三友」はそこから来ています。
その三友の中の一つは「酒」・・・
私自身はなかなかこんなふうにはいきませんが・・・・