七月の新刊のお知らせ(解註謡曲全集シリーズ) ― 2018年08月03日
佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州65 風流島 ― 2018年08月21日
補録
風流島
熊本県宇土市、緑川河口の沖合にある小島。裸島とも。『伊勢物語』の歌に詠まれて歌枕となった。『枕草子』にも名が見える。その名と、常に波に濡れる岩礁であることから、恋の歌で「濡衣」(浮名、実のない悪い噂)と関わらせて詠まれることが多い。
名にし負はばあだにぞあるべきたはれ島浪の濡衣着るといふなり
名にし負はばあだにぞ思ふたはれ島浪のぬれぎぬ幾夜着つらむ
女のあだなりといひければ
まめなれどあだ名は立ちぬたはれ島よる白浪をぬれぎぬにきて
恋といへばあだなる波のたはれ島たはぶれにくきまでにかけつつ
くらべても無き名は憂しやたはれ島波のぬれ衣いつかほさまし
波枕夢にのみ見したはれ島それさへほさぬ濡衣も憂し
佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州67 鏡の池(八代の池) ― 2018年08月31日
補録
鏡の池(八代の池)
八代市は熊本県中部、球磨川の河口に臨む市。もと細川氏の支藩松井氏の城下町。不知火海(八代海)に面す。「鏡の池」はかつて湿地帯を成していたという八代の沿海部にあった池で、今八代市迎町に鏡の池跡があり、また鏡町の鏡ヶ池公園には小さな池が残存する(もとの鏡の池との関連は不明)。ここでは毎年四月二十七日鮒取り神事が行われている。
みさび居ぬ鏡の池に住む鴛鴦はみづから影をならべてぞ見る
肥後の国八代にとどまりける日、池を見侍りて
影も見じ日数をうつす旅衣身をやつしろの池のかがみに
水の上に立つ朝霧は曇れども磨け鏡の池の秋風
塵もゐぬ鏡の池のきよければ水なき空にかよふ月かげ



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