雲の記録20091228 ― 2009年12月28日
白氏文集卷十三 長安閑居 ― 2009年12月28日
長安の閑居 白居易
風竹松煙晝掩關
意中長似在深山
無人不怪長安住 人の怪しまざる無し
何獨朝朝暮暮閑
【通釈】風にそよぐ竹、松葉を焚く煙――昼間に閂をかけて家に閉じ籠れば、
心の中は深山にあるのにまさる。
誰も怪訝に思わぬ人はいない。長安に住んで、
どうして私独り朝な夕な閑静に過ごしているのかと。
【語釈】◇掩關 門に
【補記】長安の街中にあって閑居している己を誇る。文選の「大隠隠朝市(大隠は朝市に隠る)」が念頭にあるか。但し白居易は自身の立場を大隠でも小隠でもない「中隠」と呼んだ(白氏文集巻五十二「中隠」)。大江千里が『句題和歌』で第四句「何獨朝朝暮暮閑」を題に歌を詠んでいる。
【影響を受けた和歌の例】
はかもなくならむ我が身のひとりしてあしたゆふべにしづかなるらむ(大江千里『句題和歌』)
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