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やまとうたeブックス 記事や写真の引用・転載について やまとうた 波流能由伎 拾遺愚草資料集 千人万首 千人万首資料編 百人一首に唱和しよう
日の暮れかかる頃に杉林のある谷間で安雄と正次郎の声が聞こえて来る。「もう夕御飯なのにいつまで遊んでいる気だ」と腹を立てながら、大浦は二人を呼びに行く。そんな時、彼はつい立ち止って、景色に見入った。 「ここにこんな谷間があって、日の暮れかかる頃はいつまでも子供たちが帰らないで、声ばかり聞えて来たことを、先でどんな風に思い出すだろうか」 すると、彼の目の前で暗くなりかけてゆく谷間がいったい現実のものなのか、もうこの世には無いものを思い出そうとした時に彼の心に浮ぶ幻の景色なのか、分らなくなるのだった。――庄野潤三『夕べの雲』より
by 水垣久 [雲の記録] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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