佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』山陽線11 厳島 ― 2016年07月05日
川瀬巴水画「雪の宮島」
厳島
宮島駅より海を隔てて厳島あり。島に厳島神社あり。
わたつみの浪の白ゆふかけてけり神の鳥居にみつる朝しほ
千早ぶる神のみまへのわたつみは眺めも清きかがみなりけり
広前のなぎたる海に照る月は神のこころをうつすなりけり
世にたぐひなみのうへにも宮ばしらたててたふとき神の御社
百照すともし火百の影落ちていつき島宮潮満ちにけり
補録
せめて世をまもるちかひやいつくしま浪のほかにも風ぞのどけき
青海はにほひぬ宮の古ばしら丹なるが淡う影うつすとき
みやじま と ひと の ゆびさす ともしび を ひだり に み つつ ふね は すぎ ゆく
うなばら を わが こえ くれば あけぬり の しま の やしろ に ふれる しらゆき
ひとり きて しま の やしろ に くるる ひ を はしら に よりて ききし しほ の ね
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