佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州11 海の中道 ― 2017年02月28日
海の中道(志賀島の潮見展望台より)
補録
海の中道
福岡市東区。玄界灘と博多湾を分け、九州本土と志賀島とを繋ぐ砂州。鎌倉・室町時代の歌にもその名が詠まれているが、今の「海の中道」と同じものかどうかは不明である。JR香椎線が通じ、海ノ中道駅・西戸崎駅がある。
秋の夜の汐干の月のかつら潟山までつづく海の中道
(注:かつら潟(桂潟とも勝浦潟とも書く)は福岡県福津市・古賀市あたりに広がっていた潟。この歌によれば、かつては海岸線がそのまま海の中道にまで続いていたか。)
追風まつ舟人よりも志賀の島過ぐるぞやすき海の中道
志賀の島と云ふ所は、沖へ七里、布をひきたるごとくに島あり、そのすゑに文珠まします、一首法楽せしに
橋立もおよばじ浪のうへこえて歩みをはこぶ海の中道
浦夏月
かつらがた月のあゆみもいかがせん浪まに遠き海の中道
名にし負ふ竜の宮この跡とめて浪を分けゆく海の中道
箱崎の浜のしら砂ふみさくみ海のなかみち見ればかなしも(海の中道は岬の名なり)
ふたさまに海を限れる砂地あり玄海のあらき波そこを越ゆ
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