佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州37 領巾振山(鏡山・松浦山) ― 2017年07月19日
領巾振山
虹の松原の背後に聳ゆ。鏡山といふ。(注:佐賀県唐津市の山。万葉集等には松浦山とも称す。任那へと出征する大伴狭手彦を、松浦佐用姫がこの山から領巾を振って見送ったという。平坦な山頂には鏡山神社・佐用姫神社などを祀る。唐津湾・虹ノ松原などの眺望が素晴らしい。JR筑肥線虹ノ松原駅の南一キロほど。)
万代に語り継げとしこの嶽に領巾ふりけらし松浦佐用媛
海原の沖行く船をかへれとか領巾ふれしけむ松浦佐用媛
補録
松浦県佐用姫の子が領巾振りし山の名のみや聞きつつ居らむ
三島王、後に松浦佐用媛の歌に追和する歌(万葉集)
音に聞き目にはいまだ見ず佐用姫が領巾振りきとふ君松浦山
わが攀ぢし領巾振山のいただきは雑草枯れて稲荷の祠
唐津の海領巾振山の空すみて立つ天の川今宵仰がむ
最近のコメント