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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州38 松浦2017年07月24日

唐津城より松浦潟(唐津湾)を望む

唐津城より松浦潟(唐津湾)を望む

補録

松浦まつら(松浦潟)

松浦は肥前国松浦地方の古称。現在の佐賀県・長崎県の北部。「魏志」に見える末盧まつろ(ら)(末羅)国にあたるという。古代、松浦あがた、のち松浦郡が置かれた。松浦潟は唐津湾とその周辺の海。松浦の海、松浦の浦などとも称す。和歌では大陸との間を往き来する船の発着地として詠まれることが多く、松浦舟・もろこし舟がしばしば詠まれている。

 

松浦仙媛に和する歌
吉田宜(万葉集)

君を待つ松浦の浦の娘子らは常世の国の海人娘子かも

題しらず
慈円(新勅撰集)

霞しく松浦まつらの沖に漕ぎいでて唐土もろこしまでの春を見るかな

松浦山
藤原定家

たらちめやまだ唐土もろこしにまつら舟ことしも暮れぬ心づくしに

題しらず
後鳥羽院(風雅集)

松浦潟もろこしかけて見わたせばさかひは八重の霞なりけり

海月
小沢芦庵

まつら潟山なき西に行く月をはるかにひたす沖つ白なみ

上田秋成

松浦がたかよふ鯨のあと見れば天路あまぢにけぶる八重の汐風

海上帰雁
香川景樹

折しもあれもろこし舟につらなりて松浦の沖を帰る雁がね

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