白氏文集卷十四 秋蟲 ― 2009年10月11日
秋の虫 白居易
切切闇窗下 切切たり闇窓の下
喓喓深草裏 喓喓たり深草の裏
秋天思婦心 秋の天の思婦の心
雨夜愁人耳 雨の夜の愁人の耳
【通釈】暗い窓の下、胸に迫るばかりに、
深い草の中で、虫が頻りに鳴いている。
秋の空に遠い夫を思う妻の心、
雨の夜の愁いに沈むその人の耳に。
【語釈】◇喓喓 虫が頻りに鳴くさま。◇思婦 旅にある夫を思う妻。 ◇愁人 愁いをもつ人。「思婦」と同じ人を指す。
【補記】和漢朗詠集に全文引用されている。但し第一句「切切暗窓下」、第二句「喓喓深草中」。
【影響を受けた和歌の例】
草ふかき宿のあるじともろともにうき世をわぶる虫の声かな(慈円『続後撰集』)
くらき窓ふかき草葉に鳴く虫の昼はいづこに人めよくらむ(宗尊親王『竹風和歌抄』)
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