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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』大阪神戸附近9 金剛山・葛城山2015年05月23日

葛城山(写真AC フリー素材)

写真は葛城山。写真ACフリー素材。

金剛山

大阪市の東南にあたりて遠望すべし。楠公が千早の城址はその西面の山ふところにあり。

(水垣注:「葛城や高間の山」と詠まれた「高間の山」が金剛山の古称とされる。花の名所として歌に詠まれたが、今も山頂は桜の名所である。)

足代弘訓

千早ぶるあたを千早にふせぎけり神代もきかぬことはかりして

葛城山

金剛山の北にこれと連立せり。

(水垣注:古歌などに「葛城や高間の山」といった呼び方がされているので、「葛城山」は金剛葛城連山の総称とも考えられている。桜の名所。なお今「葛城」を「かつらぎ」とよむが、古くは「かづらき」とよんだ。)

上田秋成

かつらぎや高まの山の峯の寺さむき日かげに花もさきけり

八田知紀

白雲のこころや空にみだるらむかつらぎ山の峯のあき風

補録

金剛山(高間の山)

よみ人知らず

よそにのみ見てややみなむ葛城かづらきや高間の山の嶺のしら雲

藤原顕季

葛城や高間の山のさくら花雲ゐのよそに見てや過ぎなむ

鴨長明

雲さそふあまつ春風かをるなり高間の山の花ざかりかも

寂蓮

葛城かづらきや高間の桜咲きにけり立田の奥にかかる白雲

源実朝

かづらきや高間の桜ながむれば夕ゐる雲に春雨ぞ降る

下河辺長流

いつかその雲をしのぎしあととめて我も高まのやまと言の葉

楠正成
井上文雄

天の下はらふ千早の一おろし神とも神のしわざなりけり

葛城山

藤原家隆

桜花咲きぬるときは葛城の山のすがたにかかる白雲

藤原雅経

白雲のたえまになびく青柳のかづらき山に春風ぞ吹く

うつりゆく雲に嵐の声すなり散るかまさきのかづらきの山

順徳院

白雲や花よりうへにかかるらむ桜ぞたかき葛城の山

与謝野晶子

すげ笠にあるべき歌と強ひゆきぬ若葉よ薫れ生駒葛城

与謝野鉄幹

雲を見ず生駒葛城ただ青きこの日なにとか人を咀はむ

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