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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州20 芥屋大門2017年03月17日

芥屋大門

芥屋けや大門おおと

博多の西七里、唐津湾の東口にある玄武巌の洞窟にして海に向つて開き凡そ五十間は舟を入るべし(注:福岡県糸島市志摩芥屋)。

 

大隈言道

けやの浦を誰に語らむ巌までのぼりておつる沖のしらなみ

舟よせて見るべくもなく荒びたる芥屋の大門の今日の白波

補録

中島哀浪

青潮をすかして見れば岩柱芥屋の大門をふかくすゑたり

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州21 玄界灘2017年03月19日

玄界灘 福岡県糸島市

玄界灘(福岡県糸島市)

補録

玄界灘げんかいなだ

玄海、玄海灘とも。福岡・佐賀両県の北に広がる海。東は響灘に続き,西は壱岐水道・対馬海峡によって東シナ海に通じる。北九州と大陸を結ぶ海上交通の要路。冬は荒れることが多いが、大陸棚をなし、対馬海流が流れる、有数の漁場である。

 

眺望の歌とて
藤原家隆

松浦まつら舟けふは幾日いくかの浪の上にまだ目にかかる山の端もなし

(注:「松浦舟」は大陸との間を往来した船。肥前国松浦の港を出航地とする)

遣唐使に送るに擬する歌(長歌略)
村田春海

大王おほきみみことかしこみ荒潮のうづまく海に旅寝すらしも

川田順

玄海洋げんかいなだの冬を働く捕鯨船むかつ島べにかりてくろし

中島哀浪

寄る波の上より蝶はひきかへし海のむかふの山かすむかな

岡井隆

玄海の春のうしほのはぐくみしいろくづを売る声はさすらふ

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佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州22 沖ノ島2017年03月23日

補録

沖ノ島

瀛津おきつ島とも。玄界灘にある島。福岡県宗像むなかた市。宗像神社の神域として保護される。沖津宮おきつみやが鎮座する。

 

於呂島おろのしまを朝びらきして、はるばると瀛津島おきつしまを見やりて

青柳種信

いさなとり於呂おろの海辺をこぎくれば神の天降あもりし沖つ島見ゆ

『瀛津島防人日記』より

白波の八重折るがうへにあやしくも一本くすしくもいます神かも沖つ御島は

(一首目は『八十浦之玉』より。青柳種信は福岡藩士で国学者。著書に沖ノ島御番中の日記『瀛津島防人日記』ほか多数。通称、勝次)

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州23 背振山2017年03月26日

背振山

久留米市の筑後川土手から望む脊振山地(Wikipediaより)

補録

背振せぶり

福岡県福岡市早良区と佐賀県神埼市との境の山々。背振山地。脊振山とも。山岳密教の修験場。山頂の脊振神社には弁財天(市杵嶋姫命)を祀る。

 

背振岳を見やりて
青柳種信

神のます背振の山にふる雪はがおくぬさのにぎてなるらむ

長塚節

不知火しらぬひの国のさかひにうるはしき背振の山は暖かに見ゆ

中島哀浪

柿もぐと木にのぼりたる日和なりはろばろとして脊振山みゆ

いかり登志雄としお

肥の国も筑紫の国も大海おほわだもをさめて脊振の嶺はれわたる