<< 2015/03 >>
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

RSS

佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』大和紀伊方面3 高円~手向山2015年03月20日

若草山の山頂にて

高円たかまど

春日山の南。

(水垣注:高円は上代には「たかま」と言ったらしい。)

大伴家持

宮人の袖つけごろも秋萩ににほひよろしき高円たかまとの宮

作者不詳

秋風は日毎ひにけに吹きぬ高まとの野辺の秋萩ちらまく惜しも

嫩草山

東大寺の東にあり。

樺山常子

なめらかさ油のやうな雨がふるうまし少女をとめの若草山に

河杉初子

恋ひ恋ひし若草山の上に立てば春のゆふ日に涙こぼるゝ

東花子

幼子をともなひつれて春風の若くさ山にのぼりけるかな

手向山

手向山神社あり。

菅原道真

この度はぬさもとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに

藤原清輔

今ぞ知る手向の山はもみぢ葉の幣と散りかふ名にこそ有けれ

藤原為家

染めもあへず時雨るゝままに手向山紅葉をぬさと秋風ぞ吹く

補録

高円

笠金村

高円たかまとの野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに

大伴坂上郎女

猟高かりたかの高円山を高みかも出で来る月の遅く照るらむ

中臣清麻呂

天雲あまくもに雁ぞ鳴くなる高円の萩の下葉はもみちあへむかも

大伴家持

高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも

大原今城

高円の尾上の宮は荒れぬとも立たしし君の御名忘れめや

(「尾上の宮」は高円山にあった聖武天皇の離宮。)

作者未詳

夕されば衣手寒し高円の山の木ごとに雪ぞ降りける

堀河天皇

しきしまや高円山の雲間より光さしそふ弓はりの月

藤原基俊

高円の野ぢの篠原すゑさわぎそそや木枯けふ吹きぬなり

後鳥羽院

里は荒れぬ尾上の宮のおのづから待ちこし宵も昔なりけり

嫩草山

冷泉為尹

下もえのわか草山の雪どけにそれも見え行く谷のむもれ木

中院通勝

今日は又春雨ふりぬ春日野や若草山の同じみどりに

長塚節

見れど飽かぬ嫩草山に夕霧のほのぼのにほふくさ萩の花

手向山

藤原信実

もみぢ葉を風にまかする手向山ぬさもとりあへず秋はいぬめり

細川幽斎

いざさらば花のぬさをや手向山もみぢにあける神の心に

契沖

とりあへず紅葉をぬさと手向山神のこころを神やうけけむ

次へ